暮らしをシェアする時代到来

 モノ・お金・サービスなどを共有したり交換したりすることで成り立つ、シェアリングエコノミーという考え方。名称こそ新しさを感じるが、日本でも古くはご近所付き合いという形で生活コミュニティの形成がなされており、その中で起こる共生文化は一種のシェアリングエコノミーと言えるだろう。


 そして近年、欧米を中心に発展してきたシェアの文化は日本でも受け入れはじめ、希薄化していた私たちの生活コミュニティの在り方は変わりつつあるという。


 19〜63歳の男女225名を対象に、三井不動産レジデンシャル株式会社が「ミライのマンションにおけるコミュニティ形成」に関する調査を実施。その中で「ご近所の方にお醤油を貸せますか」という質問に対して、96%もの人が「貸せる」と回答した。

 9割以上の人が「貸せる」という調査結果だったのは意外だ、と感じる人も多いのではないだろうか。もちろんご近所との信頼関係によってシェアに対する意識の違いはあるものの、交換・共有はカジュアルなものになってきているのだ。


 さらに「ご近所とシェアできるものは」という質問をしたところ、「調味料」が58%、「調理器具」が47%、「TV、掃除機などの家電」が39%、「キッチン」が30%、「ダイニングテーブル」が24%と、食に関するものはシェアできるという声が多かった。


 ここ数年人気を呼んでいるシェアハウスやソーシャルアパートメントのように、プライバシーを確保しつつ、キッチンなどの共有スペースを設ける住まいのカタチは一般的な分譲マンションにおいても今後浸透していくかもしれない。


 

 最近では空部屋のシェアサービス「Airbnb」や配車サービス「Uber」など様々なシェアのカタチが受け入れられており、まだまだ可能性を秘めていると言っても過言ではないだろう。これからさらに広がるであろうシェアの文化は、遠くない未来に私たちの身近なご近所との付き合い方も変えていくのかもしれない。